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区切り

 それから数日後、私は何時もの様に新幹線のホームで千夏を待っていた。

 

 11時ちょうどに到着する何時もの新幹線。いつも乗る4号車。人の流れと共に千夏は降りてきた。春の足音は日増しに大きくなっていた。彼女のコートもそれまでの厚手のものから若干薄い春を感じさせるものへと変わっていた。

 

 

 その日は、2月のバレンタインのお返しのホワイトデーデートだった。手を繋ぎ、丸の内線の方へ歩いていく。何度も通った同じルートで何度も利用したホテルに向かって入る。

 

 

 

 ランチは、初めて二人が結ばれた日に利用したワインの美味しいお店にした。あの頃はまだ日差しが突き刺すように熱く、じっとしていても汗ばむ陽気だった。それが、今は穏やかな日差しに包まれて何処からともなく春の匂いが感じられた。

 

 ワインを飲みながら、私たちは思い出話しに花を咲かせた。初めてコメントを交わした時の事。お互いを意識しだした頃。キャサリンとの確執。一度は、お互い諦めようとしたけど出来なかった事。

 

 

 

 私は、ホワイトデーのプレゼントに指輪を渡した。一番身に着け易く、壊れにくいものを彼女への最後のプレゼントにしようと思ったのだ。

 

 

「少し子供ぽかったかな?でも、ちなちゃんならおばあちゃんになってもそういうのを着けられそうな気がした」

 

「ありがとう。凄く可愛い。大切にするね」

 

 

 

 食事を済ませ、私たちは外に出て、渋谷のホテルに向かって歩きだした。

 

 

 私は、もう後戻りできないと言うのに、後悔の念に囚われていた。

 

 千夏との関係に『区切り』を付け、家族の下へ帰ること、彼女も納得してくれたが、本当にそれでよかったのだろうか。

 

 

 

 私たちの気持ちは繋がっている。私の迷いをキャッチしたのだろうか?千夏が私の左手を強く握りしめた。

 

 

 

「何時かは、区切らなきゃいけないんだもの。最後だからいっぱい愛して」

 

 

 

 

 私も、その手を握り返した。